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荻原規子先生×篠原監督 対談インタビュー連載 第2回!

RDGのアニメ化を記念して、原作者の荻原規子先生と篠原監督の対談インタビューを全3回でお届けします!

——監督は泉水子のどういうところに主人公としての魅力を感じますか?
篠原監督:これだけ引っ込み思案だとアニメの主人公としてもかなり異色で、 そこが逆に面白いですよね。泉水子をあそこまで引っ込み思案にしたのは何か理由があるんでしょうか? 先生の他の作品のヒロインたちは、 自分の人生をグイグイ切り開いていくタイプが多いですよね。泉水子は彼女たちと比べて年齢もあまり変わらないし、 ああいうキャラクター像で書こうと思った理由があれば、お伺いしたいのですが…。
荻原:彼女は“隠された女神”を体現する女の子として周囲に守られているわけですけど、 そうされた女の子の身になってみれば、苦労するなと思ったんです。自分では何もしないから自信なんか持てないし、 外にいると怖いものがいると自分でも知っているし周りの人もそう思っているのが伝わってくるから、外向きの子にはなれないですよね。 だから引っ込み思案になってしまったけど、年頃になれば外へ出て行きたいという葛藤が始まる。その辺の「変わりたい」 と思っている女の子の気持ちを細かく書きたいなと思ったのが、ああいうキャラクターにした動機です。何事も初めてという子は、 ひとつのことに対して、すごく新鮮な感動を持つんじゃないかなと。
篠原監督:じゃあ、そこに合うキャラクターはどんな子だろうと掘り下げていった結果、 自然に生まれたのが泉水子なんですね。
荻原:そうですね。お話が先というより、泉水子がどういう子かということがすごく大事で、 そこが固まらないと書き出しが始まらないので。あと、引っ込み思案という言い方をすると聞こえはいいんですけど、 実は人間嫌いなところもあって、人が怖いんですね。そういう子が外へ出るためには何か衝撃みたいなものが必要で、深行はその衝撃を体現する人物というイメージです。
——アニメでは泉水子と深行のドラマはどう描かれますか?
篠原:そこは原作の一番おいしいところでもありますので、 基本的には原作を崩さずにやりたいなと思っています。ただ、アニメを作りながらハッキリしてきたんですが、 深行は自分に能力がないことをコンプレックスとして持っているじゃないですか。特に高柳や宗田姉弟に対して。 アニメではどうしても大きな事件を描くことが中心になっていくので、それで展開していくと、深行ってキャラが立たなくなってしまうんですね。 ヘナチョコになっちゃうというか(笑)。原作では事件の合間に泉水子をフォローしているシーンがたくさんあって、 そちらだと賢くて頼りになるというイメージがあるにも関わらず、アニメでは「ダメじゃん、深行!」という印象になってしまうという…。
荻原:要所要所ではヘタレですからね(笑)。
篠原:そうなんですよね。これは不味いなと。 どうやって深行を泉水子にとって頼りになる存在にするかを、毎回苦心しながら、スタッフにも叩かれながら作っています。 でも逆に、一見万能に見える深行もいろいろ悩みを抱えていて、それを自分の中で消化しきれず、泉水子のこともしっかり守ってあげられない。 それはそれで人間的な魅力が出るのかなと思いながら、進めてはいます。原作では、二人が“手をつなぐ”ということが印象的で大きな意味があるような気がするのですが?
荻原:そうですか?(笑)
篠原:えぇ~……(笑)。たぶん泉水子が深行を好きになったきっかけだと思うんですけど、初めて手をつなぐシーンがありますよね。
荻原:初めて泉水子の視野に深行がちゃんと入ったというか、気持ちを実感したのは、確かに修学旅行で手をつなぐシーンですね。
篠原:最初に先生にキャラクターについて伺った時、深行の手について「男っぽい大きな手」 とおっしゃっていたのが印象に残っていて、手に対するこだわりがすごくあるように感じたんです。
荻原:特に手を意識していたわけじゃないんですけど、泉水子という女の子は、 あまり人に触っていないような気がして。両親が傍にいないって、そういうことですよね。人に触っていないから人が怖くて、 そういう時に初めて手を握ったのが深行だったから、深行が特別だと決まっちゃったのかなと。
篠原:刷り込みですか!?(笑)
荻原:もちろん深行は他の女の子の手も握っていると思うんですけど…(笑)。
篠原:いやいやいや、それは泉水子がヤキモチを焼きますよ。 深行もすごくヤキモチ焼きで、10代特有の独占欲が出ていて、むしろ可愛いなぁと思いますけど。
荻原:原作の序盤では、手をつなぐくらいしか二人のイベントがなかったですからね。 私としては、そこから段々と認識が変わっていくところが描きたかったなと。あとは帽子のシーン。深行が自分のために帽子を買ってくれるっていうのは、 泉水子にとって大きかったんですよ。彼女の世界観が変わるくらいの変化があったと言えますね。
——和宮というキャラクターも不思議な印象がありますね。
荻原:和宮くんは急に生まれたキャラです。最初のうちは泉水子がちょっと気にかけているクラスメイト… くらいの設定だったんです。それが実は…というのは、あとから出てきた設定で、書いている私もビックリしたんですけど(笑)。
篠原:ええ~っ!? ちょっと、先生……(笑)。
荻原:修学旅行のあとの展開でどうしようと思った時、最終的にそういう設定にしたら、 その後もずーっと関わっていく存在になりました。あの姿になるのは、いきなりでしたけどね(笑)。
篠原:後半の和宮は中学生の和宮とかなり性格が変わっているので、そこがすごく面白いですね。
——アニメでは和宮のキャストが釘宮理恵さんというところも意外性がありますね。
篠原:すごく真面目な少年と、豹変した姿とを両方演じていただける方にお願いしたかったんです。 あと、後半の姿になった時、ハッキリとした男っぽい声じゃない方が絶対にいいだろうなと。
——鳳城学園で出会う真響たちも泉水子と関わる重要な存在ですが、彼らはどういう経緯で生まれたんですか?
荻原:深行の次に泉水子に深く関わってくる子として、 双子だとよくありそうだから3つ子がいいんじゃないかと思ったんです。3人目は実は…って感じなんですけど、 それは早い段階から決めていましたね。実は私は、この作品を鳳城学園から始めたかったんですよ。 でも、それでは泉水子と深行の関係が描ききれないので、中学生での騒動をひとつ入れないと難しいなと。 だから、もし1巻で本が売れなかったら、もう続きを書かせてもらえないかも…という覚悟はしていました。大事なキャラがまだ出てこないうちに終わっちゃうかもと。
—— そういった感じで、泉水子や深行以外で思い入れのあるキャラというのは他にもいますか?
荻原:最初は脇役として出てきたのに、割と引っ張って登場しているキャラというのは、 私にとって書きやすいキャラなんですよね。苦労させないでいろいろ動いてくれるキャラというのは、嬉しいですから。両国先輩とか(笑)。 高柳くんも最初はただの嫌味な子でいいと思っていたんですけど、段々と愛嬌が出てきたかなと。
篠原:ある意味、可愛いキャラになってきましたよね。 アニメでも意外な立ち方をしているキャラというと、高柳だと思うんです。アニメでは原作より、 さらに濃くなっていますけど。ちょっと噛ませ犬的な、一見敵キャラっぽいのに実は…というところが面白いなと(笑)。尊大な感じだけど愛嬌もあるし、ああいうキャラって好きですね。
—— 先生はアニメの第1話をご覧になってみて、いかがでしたか?
荻原:アニメオリジナルということにして、アニメスタッフの方々が好きなように変えることもできる中で、 本当に原作を尊重していただいたので感謝しています。原作者冥利に尽きますね。泉水子はあまりセリフをたくさんしゃべらず、 言いたいことが言えないキャラなんですけど、動きと表情でちゃんと語っているので、そこに感動しました。 私でさえ言葉で表現することに苦労したキャラなのに、気持ちがちゃんとわかるので、それってやっぱり絵の力がないと出来ないことですよね。 びくびくしていたりするところも可愛いくて、すごく良かったなぁと思いました。
篠原:第1話の感想とか聞くのが怖くて今部屋を出て行こうかと思ったんですけど…(笑)。喜んでいただけたらなら何よりです。
—— 監督としては、第1話が形になってみて手応えはいかがですか?
篠原:思った以上にうまく行っているところもあるし、思ったほど行っていないところもあるし、 そこを今後どうやって修正していこうかという感じですね。あと、演出で狙っていたこととはいえ、 泉水子がかなり地味な子…という印象は拭えないですよね。雪政が出てきた瞬間に作品の雰囲気がガラッと変わっちゃって(笑)、 これはどんな印象を持たれるんだろうと、そこが非常に楽しみなところでもあります。

対談1はこちら

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